五輪開催で「被害者ゼロ」が狙いの強引な切り捨て!

▼五輪開催で「被害者ゼロ」が狙いの強引な切り捨て!



 安倍政権と福島県は来年の東京五輪開催を前に「被害者ゼロ」に見せかけるのが狙いで、強引な切り捨て策を強行している。原発被災者たちはこう憤った。

 裁判には勝ったものの、先の暮らしの見通しは立っていない。

**********************

 横浜地裁は先月20日、福島原発事故による被害者175人を原告とする訴訟で、国と東電に対して法的な責任を認めた。

 福島原発かながわ訴訟原告団団長の村田弘さん(76)は判決後に、「まずまず良かった。私たちは生活の基盤がなくなっているし、やっぱり国の責任ですよ」と語った。

 とはいえ、放射能に汚染された「ふるさと」と被害者の生活再建は進んでおらず、「今月末に避難者の民間賃貸住宅の家賃補助を一気に打ち切り、公営住宅から追い出すという被害者の切り捨てが進んでいる」と憤る。

 村田さんは2003年に朝日新聞社を退職。南相馬市の妻の実家を改築し、移住した。村田さんにとっても南相馬は、小学生から高校生まで生活した故郷だ。

 そんな中、大地震に襲われた。高台にあったのが幸いした。

 「海沿いは津波で全滅です。親族の無事を確かめるために外出しましたが、夕方に戻ると隣家の女性が大きな爆発音を聞いたと言っていました」

 防災無線はよく聞こえず、翌12日にテレビで原発爆発を初めて知った。長引くとは思わず、毛布2枚とわずかな缶詰だけを持ち、慌てて車で避難所に移ったという。

 周囲では高齢者が相次いで亡くなった。800人ほどいた避難所の閉鎖に伴い、17日の早朝には、3人の子供たちがいる神奈川県に2日がかりで自力で避難している。

 横浜市で次女夫婦と同居することになったが、「東電は『同居する合理性はどこにあるのか』と主張。引っ越し代と敷金礼金の補償は認められませんでした」。

 国や東電の対応は口先ばかり。避難民は明るい見通しを立てられず、13年9月に集団訴訟を起こした。

 「責任をはっきりさせ、実際に受けた被害、物理的・精神的な損害を賠償させたいと考えました」

 勝訴はしたが、課題は残る。

 「原発事故は自然災害とは違い、被害の奥深さがある犯罪です。国はオリンピック前に完全復活を宣言したいのでしょう。

 それまでに被害者をゼロにするのが目標で、強引な被害者切り捨ての姿勢を鮮明にしています。

 福島県も国とまったく同じ方針で、出先機関のような対応をしていることが一番腹立たしい」―。  (以上 日刊ゲンダイ)

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック