非核化の実がない「形だけの合意」は必要ない!

▼非核化の実がない「形だけの合意」は必要ない!



 2回目の米朝会談決裂について日経が社説で解説した。ストレートに問題点を指摘するなど読み易い、良い記事だ。

 非核化について頭の整理になるので転載する。 (敬称略)

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 北朝鮮が核・ミサイル開発を続ける限り、朝鮮半島に平和と安定が訪れることはない。

 トランプが金正恩との2度目の首脳会談で、明確な非核化なしに制裁を解除することはないとの姿勢を示したことは、適切な判断だった。

 日本を含む関係国は足並みをそろえ、非核化を粘り強く働きかけるべきだ。

 「金正恩は制裁の完全な解除を求めてきた」。トランプは会談後の記者会見で、北朝鮮が経済回復に主眼を置いていたと明らかにした。

 米政府も今後の米朝交渉の拠点となる連絡事務所を平壌に設けるなどの友好カードを用意していたようだが、北朝鮮は非核化へのロードマップを明確にせず、合意に至らなかった。

 支持率が低迷するトランプが、形だけの非核化といったまやかしに飛びつかなかったことは、ひと安心である。

 金正恩は1月に中国で習近平と会談した際、「非核化を堅持し、国際社会に歓迎される成果を得られるよう努力する」と強調した。

 だが、本当に優先しているのは「自らの体制の安全」のようだ。今回の会談からは、非核化の実現への真剣な取り組みは残念ながらうかがえなかった。

 完全な非核化に導くには、核物質・施設とミサイル基地の全容の把握が欠かせない。

 北朝鮮は「攻撃リストになりかねない」とリストの申告を拒否している。核開発の全体像を隠したまま、非核化の道筋を描くのは不可能だ。

 金正恩の制裁解除の要求から読み取れるのは、北朝鮮に譲歩を促すには、国連決議に基づく経済制裁を的確に実行することが効果的ということだ。

 昨年の米朝首脳会談での雪解けムードをきっかけに、制裁をなし崩し的に緩和しようとの動きが散見される。北朝鮮の周辺海域では「瀬取り」と呼ばれる不法な洋上取引も起きている。

 関係国が連携し、改めて制裁のタガを締め直すことが不可欠だ。南北融和への傾斜を強める韓国の文在寅政権への働きかけがとりわけ重要となる。

 日本人拉致問題の解決を心待ちにしている家族には、合意見送りは心痛だったことだろう。だが、安易な米朝和解が拉致解決に結びつく保証はない。

 国際社会に拉致の残酷さを繰り返し説き、北朝鮮がこの問題に向き合わざるを得なくなるようにさせねばならない。 (以上 日経)

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