狙いは「政権批判の封じ込め」!NHK組織改変(前編) 

▼狙いは「政権批判の封じ込め」!NHK組織改変(前編)


 憲法九条や日本の戦争責任を取り上げ、「NHKの良心」といわれた部局を解体しようと目論むNHKについて週刊ポストが鋭く迫った。

 報道の本質に迫る極めて重要なポイントを列挙している。

 このため、当ブログ「半歩前へ」は前後編の2回に分けて転載する。

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◆部の全員が声を上げた
 ここに「要望書」と題した一通の書面がある。差出人は、NHKの文化・福祉番組部職員一同。宛先は同局の制作局局長だ。要望書にはこうある。

 〈今回の組織改正案について、文化・福祉番組部では1月31日・2月4日に、〇〇(注・原文では本名)部長より説明会が開かれました。(中略)福祉と文化が切り離されることについて驚きと強い懸念を抱いています〉

 〈現在部員の全員(管理職を含む)が、現状の説明では納得がいっていないと考えています〉

 〈NHKの番組全体の多様性が失われることを懸念する〉

 要望書の中で、局長に対し、〈意見交換の場を求める〉とした部員は72名。海外留学中の部員を除く全員である。NHK局員が語る。

 「現在、NHKでは番組制作体制の大幅な見直しを進めています。すでに上層部は組織改編案を作成しており、今年6月から新体制をスタートする方針です」

 NHK(EテレやBSを含む)の自局番組制作は、政治部や社会部、経済部などニュース系番組を担当する「報道局」と、ドラマやバラエティ、情報番組を担当する「制作局」の2局によって行なわれている。今回、“改革の本丸”となったのが後者の制作局だった。

 改編案には、制作局の8部署を全て廃止し、新たに6つの「制作ユニット」に再編するとの計画が示されている。

 各ユニットには部長に相当するジャンル長がいて、人事発令がなくても、それぞれのジャンル長の判断でユニットをまたいだ異動ができるようになる」(NHK制作局の局員)

 「改編と言っても、旧来のほとんどの部署は横滑りで新ユニットに移行する。しかし、『文化・福祉番組部』だけは複数ユニットに分割提案されており、事実上の“解体”です。

 それについては明確な説明がなく、この改編は文化福祉の解体を狙い撃ちにしたものだったのではないか、との疑いが部員たちの中にあるのです」(ある局員)

◆加速する「安倍シフト」
 文化・福祉番組部の主な制作番組には様々な社会問題を取り上げるドキュメンタリー番組『ETV特集』や、『ハートネットTV』などがある。

 そうしたテーマを扱う中で、時に「反権力」を強く打ち出すことも厭わない──というのが局内での評価だ。

 「『ETV特集』では、憲法九条や日本の戦争責任、女性の権利などを重点的に取り上げています。政権のスタンスと真逆の番組も多く、局内有数の“反権力部署”とも呼ばれます」(同前)

 2011年3月の東日本大震災後は、放射能汚染の実態や、反原発報道に力を入れ、同年9月に放送したETV特集『シリーズ原発事故への道程』は2012年の科学ジャーナリスト大賞を受賞した。

 文化・福祉番組部が“反権力”の姿勢を見せる一方で、2012年12月に第二次安倍政権が誕生すると、局としてのNHKは「政権寄り」に傾斜していった。

 安倍首相の就任1年目となる2013年10月には、小学校時代の安倍首相の家庭教師を務めたJT顧問の本田勝彦氏をはじめ、小説家の百田尚樹氏、海陽中等教育学校長の中島尚正氏ら“安倍シンパ”がNHKの経営委員に次々と就任。

 翌年1月には、籾井勝人氏がNHK会長に就き、「政府が『右』と言っているのに我々が『左』と言うわけにはいかない」発言が物議を醸した。

 「第二次安倍政権の誕生以降、NHKでは政権に近い声が大きくなり、2017年4月に政治部長経験者の小池英夫氏が報道局長に就任して『安倍シフト』に拍車がかかった。

 昨年4月には“安倍番”を長く務めた政治部の岩田明子記者がNHK会長賞を受賞するなど、官邸との距離の近さが際立つようになっている」(NHK社会部記者)

 昨年の森友問題を巡っても、当時NHK大阪報道部記者だった相澤冬樹氏が、政権を揺るがす特ダネに上層部から様々な圧力が加えられた経緯を『安倍官邸vs.NHK』(文藝春秋)で明かしたばかりだ。相澤氏が語る。

 「安倍政権が長期政権となって官邸の力が巨大化したこともあり、局として政権の意向をうかがう姿勢は強まる一方だと感じていました。私のことだけでなく、迎合する姿勢を見せなかった国谷裕子キャスターや大越健介キャスターの番組降板も、そうした流れのなかにあったのではないか」

 そうした中で、変わらぬ姿勢を貫く文化・福祉番組部は“浮いた”存在になっていったようだ。

 「政権を刺激する番組を作り続ける文化福祉は、局の上層部にとっては煙たく映ったのかもしれない。改編案に文化福祉が憤るのも無理はなく、他部署の人間からも“これはさすがにおかしい”と、文化福祉を援護する声が上がっています。

 正直、文化福祉の作る番組は“地味”なものも多く、数字は取れない。局内にも批判的な人はいます。

 しかし、公共放送の存在意義は、視聴率には表われない少数派に寄り添う社会的弱者に寄り添う番組を作ることにもあると思う。視聴率至上主義なら『ETV特集』のような番組はなくなってしまう」(前出・制作局局員)

NHK組織改変(後編)
https://85280384.at.webry.info/201902/article_222.html
に続く。

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