隠微な遊郭の臭い漂う男性天国の飛田新地!

▼隠微な遊郭の臭い漂う男性天国の飛田新地!



これは2年前の話である。再録する。

 大阪の親友Aに「飛田を見てみたい」と電話で言ったら、彼は「俺に任せろ」と言った。東京から新幹線で夕方、新大阪に着くとAが迎えに来てくれた。「近くに魚のうまい店がある」と案内。生ビールで乾杯し、旧交を温めた。

 それでは「ご希望の飛田に行こうか」となった。飛田新地は大正時代に作られた遊郭。今も当時の雰囲気を留めるというので、一度は行ってみたかった。

 どうしてかと言うと、私は落語をやっている。吉原や花魁の噺をよくかける。ところが、浅草の吉原はとっくの昔に跡形もなく消え、今は名前も「千束」となり、ソープランドの花園となった。これでは遊郭の雰囲気などみじんもない。

 JR新今宮駅を降りてしばらく歩いて行くと、何やら隠微な雰囲気が漂ってきた。棟続きの長屋のような軒先に、どこも「飛田新地料理組合」と小さく書いた提灯がぶら下がっている。「春」を売るのが商売だが、建前は「料亭」で、女の子は「仲居」という塩梅だ。

 間口一間ばかりの狭い玄関口に座布団の上で若い女の子がちょこんと座っている。脇にやり手ババアと呼ばれる年配の女性が、「上がっていって」と声をかける。女の子は声をかけず、笑顔を振りまくだけだ。

 話がまとまれば客と2人で二階に上がり「自由恋愛」という寸法だ。「恋」の相場は15分で1万1000円。10分単位で加算されるというから3万―4万円は覚悟した方がよさそうだ。

 店の数は100軒ではきかない。縦も、横も、通りと言う通りはどこもこの種の店ばかり。しかも、びっくりしたのは若くてきれいな子が多いことだ。もしかして、化けるのがうまいのか。

 8割がたがかわいい子でセーラー服姿や漫画の主人公のよう格好。中には股をチラッと開いて下着を見せ、オスの欲情をかき立てる子がいる。

 見たところ、現役の女子大生ではないかと思える子が何人もいた。学費や生活費を稼ぐためか?それとも別の目的があるのか?

 「気にいった子がいたら上がってみるかい」とA。私はご辞退した。時間の経過とともに若者たちが3人、5人と連れ添ってやって来た。中年の男性もいる。

 照れくさいのか、それとも時間がまだ早いのか。単独の男性は少なかった。ほとんどが連れといっしょだった。

 さっきまでいたかわいい子がいなくなった。そこには座布団だけが残っていた。きっと客がついたのだろう。

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